伊予ヶ岳
千葉県南房総市に位置する伊予ヶ岳(いよがたけ)は、標高336.3mと低山ながら、その鋭く尖った岩峰が特徴的で「房総のマッターホルン」とも称されています。千葉県内で唯一「岳」の字がつく山であり、登山初心者から中級者まで楽しめる人気の山です。(参考:南房総いいとこどり)
トレッキング概要
写真の軌跡
アクセスと登山口
最寄り駅はJR内房線の「岩井駅」。そこからは、市営路線バスの富山線(トミー号)を利用して、登山口となる「天神郷(伊予ヶ岳登山口)」バス停まで向かうこともできます。南房総市が提供している「伊予ヶ岳モデルコース(土休日用)」などの運行情報も参考になります。私は今回、レンタカーで直接現地へ向かい、平群天神社内にある駐車場を利用しました。境内にはトイレも設置されているので、出発前に立ち寄っておくと安心です。
トレッキング

トイレを出て拝殿を正面に見たときの景色です。
右手には駐車場、左手には伊予ヶ岳の登山口へと続く道が伸びています。

登山口から、いざ伊予ヶ岳へ。
ポイ捨て禁止の看板もしっかりと目に入ります。

入り口からは砂利道を少し進みますが、
このあたりからは土の登山道に切り替わります。
気分も自然とトレッキングモードに。

これまでの雨で土が流れてしまっている箇所も多いですが、
左の写真のように段差が整備されている道もあり、
また、右の写真のように木の根が所狭しと張り出している場所も点在しています。
人工と自然、それぞれの段差を楽しめるのも、この道の魅力のひとつです。

急な斜面のある場所では、このように杭とチェーンが設置され、
転落防止の対策がしっかりととられています。
登山者への心遣いが感じられる、整備の行き届いた登山道です。

緑が生い茂る空間はとても気持ちよかった一方で、
前日に雨が降ったようで、滑りやすい場所もちらほら。
油断せず、慎重に歩く必要がありました(焦)。


途中、冨山(とみさん)方面への分岐もありますが、今回は伊予ヶ岳へ。
心なしか、傾斜や一歩一歩の段差が急に感じられましたが、がんばります。

いい景色!……ですが、ここはまだ山頂ではありません。
途中の休憩スポットで、ひと息つける場所です。

休憩所からの一枚。
右に進むと「嶺岡中央林道」方面ですが、
ここでは左手、まっすぐ進んで山頂を目指します。


事前情報をほとんど見ずに登ったので知らなかったのですが、
山頂直前は岩場で、ちょっとしたロッククライミングのような急登…。
ある程度、足腰がしっかりしていないと登るのは少し大変かもしれません。

(;´д`)


岩場を登りきった先には、ご褒美の山頂!
達成感とともに、素晴らしい景色が広がっていました。



ヤッター


伊予ヶ岳の山頂から見晴らす、南房総の景色。
のどかなパノラマを前に、深呼吸が心地良いです。
岩場を降りれば登山口まではそれほど遠くないのですが、
気持ちが若干折れてしまっている私は、「岩場を通らず」の下山ルートへ。




岩場を回避する道から見る山頂も、しっかりと存在感があります。
少し離れて眺めることで、その険しさと美しさがより印象的に映りました。


「岩場回避だから簡単な下山どうだろう」と思ったら大間違いで、
待っていたのは、ツルツルと滑る斜面の連続でした。
この道を通るなら、晴れの日の後など、
地面がしっかり乾いているタイミングをおすすめします。


なんとか、自然の滑り台のようなツルツル道を乗り越え、
そのまま「桜の広場」方面へと向かいました。
ちなみに、反対方向に下ると嶺岡中央林道に繋がっています。


桜の広場は、旬を少し過ぎていた印象でしたが、
それでも山肌に映える桜がとても綺麗で、素敵な空間でした。
(あの泥道で滑り倒した後の安らぎは、ひときわシミました)
この写真の奥の方にある道が登山口へと続いていて、
そこからさらに歩いていきます。


どこに出るのかと思いきや、到着したのは登山途中の休憩場所。
山頂から岩場を下りればすぐの場所ですが、
私は回り道で小一時間かけての到着でした(笑)
「伊予ヶ岳を満喫した」と自分に言い聞かせつつ、
平群天神社に向けて、登ってきた道をゆっくり下山。
今回のトレッキングはこれで終了です。


前日に雨が降ったこともあり、
程よい湿り気が植生の濃さをより引き立ててくれました。
それでも心地よい風が吹き抜け、
晴れやかな春の気配を感じることができたトレッキングでした。
登後感


伊予ヶ岳は標高336.6mの低山ですが、
ハイライトの岩場をはじめ、
冒険感のある魅力的なトレッキングでした。
当日は登山者も多くなく、
山道をゆっくり歩きながら、
時に立ち止まって緑に浸ったり。
平群天神社に戻ってきたときの、
程よい疲労感と
静寂の中で風に揺れる木々の音が
とても心地よかったです。
ツルツルと滑る濡れた道や、ゴツゴツとした岩場でも、
しっかりと足元を支えてくれた
愛用のHOKAにも感謝。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
伊予ヶ岳の魅力が、少しでも伝わっていれば嬉しいです。